そばりょうり【蕎麦料理】

       
参考リンク  
かわりそば【変わり蕎麦】
                  きょうどそば【郷土蕎麦】
                  せかいのそばりょうり【世界の蕎麦料理】

そばを調理素材とした各種の料理。そば料理に関する本には村井政善著『新らしき研究栄養と蕎麦応用料理集成』(昭和9年・1934刊)が知られ、約130種にのぽる応用料理を紹介している。
昭和11年ごろ、並木藪蕎麦の初代堀田勝三がそば寿司を軸にしたそば料理を売り出し、普及宣伝に努めた。また、そばの会を通じてそば料理の開拓推進もみられる。

    

そば料理
そばを巧みに使ったそば料理のコース仕立て。
(東京・浅草「並木藪蕎麦」
そばづし


あぶらずまし 【油澄し】 普茶(ふちゃ)料理のねぎ飯、ねぎそばに限って用いられるもの。胡麻油をよく煮返し、冷ましたのちに、たまりと味噌のよくすったものを入れて煮る。これをこしておき、出す前に温め、ねぎ飯やねぎそばにかける(『料理早指南』三)。
普茶料理は卓袱(しつぼく)料理の精進仕立ての場合をいう。宇治黄檗山(おうばくざん)万福寺が著名で、別名黄檗料理ともいう。
あわせそば
(ちゅうやそば)
【合わせ蕎麦】
【昼夜蕎麦】
二種類の色の異なったそば生地(めん帯)を重ね合わせて打った「合わせそば」をいう。色彩が対照するものを表裏に選ぶ。赤と白は祝儀に、茶と白は不祝儀にも応用できる。白はさらしなそばを使い、赤や茶は、色物の変わりそばを使う。
おだまき 【小田巻き】 「小田巻蒸し」の略。本来はうどん台だが、そばでも作られる。大坂で広まり江戸に伝わった。シイタケ、かまぼこ、ギンナンなど、色とりどりの具を配す。その上にといた卵をかけて10〜15分間蒸すと、茶碗蒸し風の種物ができる。
おはらぎそば 【大原木蕎麦】 大原木とは細切りにした材料をまとめてたきぎのように結んだもの。京都の大原女(おはらめ)が売るたきぎに似ているところから名づけられた。そば粉二カップに水一カップの割で練り、卵白一個分を半ば泡立てて加え、木枠に入れて蒸す。蒸し上がったら細長く切り、6、7本ずつ中央を海苔でくくり、5束ずつ器に盛る。そばつゆと薬味で食べる。
かんしょそば
【甘藷蕎麦】
サツマイモ(別名、カンショ・カライモ)の粉に、ヤマイモ、そば粉、小麦粉などを混ぜ合わせ、めん状にしたもの。
しんしゅうむし 【信州蒸し】 魚でそばを包んで蒸した料理。信州がソバの産地であることから。「信濃蒸し」「そば蒸し」ともいう。
タイ、ヒラメなどの淡白な白身魚を用いる。そば汁をかけ、ダイコンおろし、ネギなどの薬味を添える。そばを魚に巻き付けたり、上に乗せる作り方もある。
そばいなりずし 【蕎麦稲荷鮨】 そばずしと同様に、そば料理の一つ。油揚げを二つに切り、袋状に開く。その油揚げを砂糖、辛汁、甘汁で炊く。硬めにゆでたそばを食酢と辛汁に3分間ほどひたしたのちに汁を切り、それを丸または三角形の、さきに調味した油揚げに詰めてでき上がる。そばと油揚げの食感がよく合う。
そばいぬ 【蕎麦犬】 新潟県中魚沼郡津南町谷内の庚申講のときにそば粉で形作る犬のこと。庚申講の料理は生臭物を避け、焼き豆腐・野菜・昆布・こんにゃくの煮物を盛り込みにし、三品か七品の料理が並べられる。主食はそばが付きもので、夜食には桜飯などが作られた。それから、そばを打ったあとの余り粉で犬の形を作る。このそばの犬をとっておき、そばを食べて当たったりしたときに焼いて食べれば治る、といわれた。
そばすき 【蕎麦すき】 そばと季節の魚介、野菜を使った鍋物だが、基本的には店側がサービスする提供法を採っているのが特徴。まず一口、さっとそばをゆでて味わってもらう。次に、魚介、続いて野菜を一種顆ずつ煮、それぞれほどよい煮え加減ですすめる。最後に再びそばを、好みの量だけ提供する。手打ちそばはゆですぎてはその持ち味が生かされないので、小ぶりの振りざるに一口分を入れ、鍋のなかでさっとゆがいて食べるような方法がよい。
そばずし 【蕎麦鮨】 干瓢、シイタケ、卵焼き、三ツ葉などを芯に入れた海苔巻き、伊達巻きなどの巻きものが最もそばに合う。このほか稲荷、茶巾、ちらし、押しずしもある。
そばずり 【蕎麦ずり】 野菜汁を作り、そのなかへそば粉を入れてかきまわしたもの。コマカ汁ともいう。
(岡山県御津郡加茂川町豊岡)
そばづくし 【蕎麦尽くし】 そば料理だけでコースの献立に仕立てたもの。
懐石、あるいは会席料理の伝統と技術を取り入れ、洗練された趣向と高い料理性を持つものや、郷土の味覚をふんだんに取り入れたものなど、さまざまな形に発展している。
そばどうふ 【蕎麦豆腐】 そば粉に葛粉を加えたものに冷やしたかけ汁を入れて混ぜ、湯せんしつつ硬くこねる。
これを型に入れ自然に冷やす。もり汁、あるいは醤油などのつゆをかけて食す。
また、水で溶いたそば粉にでんぶんを入れて煮つめ、蒸し固める方法などもある。
そばこうせん 【蕎麦香煎】 そば粉に茶を注ぎ、塩を適宜に入れてかき混ぜて、塩味にして食べる。塩の代わりに砂糖を使うところもある。岡山県川上郡建部町落合町では主として夏に食べる。
高知県高岡郡佐川町では、「茶練りそば」という。

そばごはん 【蕎麦御飯】 鯛の腹皮や中骨の付いた切身をまず白焼きにしたあと、身をほぐす。小茶碗に、底から小量の御飯、鯛のそぼろ、御飯、鯛のそぽろの順に入れたあと、一番上にそばを薄く置いて蓋をする。この小茶碗を強火で五分間蒸す。蒸しあがったところで、吸物よりやや濃い目の汁をかけ、蓋をして出す。薬味はわさび大根(おろし大根とわさぴをまぜ合わせたもの)、刻みねぎ、のりなど。
また、御飯を使わず、ほぐした鯛の身を鉢に入れた熱いそばの上に乗せ、かけ汁には三つ葉を入れて沸騰させたものを、その上からかけて出すのも美味しくいただける。この場合の薬味はわさびがよく合う。

そばべんとう 【蕎麦弁当】 大正のころ、静岡市の桜そば・河内庵が考案した箱膳といえるもので、天ぶらとそばを盛り合わせた天盛りの始まり。いまは同市の岩久本店の「箱そば」が東海道の名物そばとなっている。こちらのほうは同じ重箱入りで外側が黒塗り、内側朱塗り、そばに汁入れ、猪口、薬味、箸を収めている。
そばめし 【蕎麦飯】 ご飯と一緒にそばの実(抜き)を炊いたり、蒸したご飯。新ソバで炊いたそば飯は色合いと香りがよく、懐石で喜ばれる変わり飯の一っでもある。雑炊仕立てでも食される。
そまけ
もち米を蒸すか煮上げたものにそば粉をれ、練りつつ塩少々を加えて団子にする。砂糖か醤油をつけて食べる。(鹿児島県曽於郡志布志町)
はこそば 【箱蕎麦】 重箱式の箱のなかにそば玉、汁入れ、猪口、卵、薬味皿、著のいっさいを納めたもので、高級感を出した箱膳の一種。江戸時代に大名の屋敷などへ届けたときの器に摸した趣向である。箱は外側黒塗り、内側朱塗りのものや、若狭塗りがある。元祖は東京「やぶ忠」と長野の「岡沢屋」先代から発したものとに分けられ、発売当初から評判をとった。