あつもり【熱盛り】
ゆどおし【湯通し】


もりそばを温めたもので、熱湯に通してから出すことから「湯通し」ともいう。明治期までは、冬季、熱いつけ汁で食べるこの「あつもり」がオツなものとされ、親しまれた。

秋から冬にかけては、新そばも出回り、香り高い、美味しいそばの季節になる。そばとしては″ざるが最高であるけれども、暖かいものも喜ばれる。
ざる用のつゆを徳利に入れて湯煎して熱くし、茹で上がったそばを、もう一度沸騰した湯にくぐらせる。ざるそばのようにして食べるが、つゆの中に生玉子やとろろを落とし込むのは、栄養のバランスからも良い。
釜揚げそば・地獄そばなど、茹で湯と一緒に出すと、そばがさめにくいが、つゆが淡くなりやすいのが難点。

そば店の通し言葉では、普通のもりは「寒」(かん)、これに対して熱もりは「土用」(どよう)といった。
 「かへさせ給へとあつ盛のそばを強ひ」 の古川柳は、平敦盛とそばのあつ盛、返させ給えという呼び戻し文句とお代わりをそれぞれかけて詠んだもの。
堺市にある老舗「ちくま」は創業元禄8年(1695)といい、そばのせいろひと筋。熱もりは湯通ししたそばを盛り、辛めの熱いつゆを生卵で薄めて好みの味としている。