ふしるい【節類】


        
参考リンク
   だし【出し・出汁】
                    
 

         ● 製造面からみた分類

魚を原料に使っただしの材料をいくつかに分類すると、次のようになる。

煮干 ・・・ 煮て(煮熱ーしゃじゅくーという)乾燥したもの。
荒節 ・・・ 原料魚を煮て(なまり節)から燻(いぶ)し、乾燥(焙乾、または燻乾)したままの節。「鬼節」ともいう。
この状態で、節の表面は燻煙に含まれるタールなどがこびりついている。この表面を削り落として「裸節」 にしてからカピつけをほどごしたものを「枯節」(かれぶし)と呼ぶ。↓

枯節
・・・ 原料魚を煮てからいぶし、乾燥した「荒節」の表面を削ってカピ付けしたもの。カビ付けは、一番カビから五番カビまであり、カビ付けしては日乾し、カピを払い落とす。枯節は、カビ付けをよくするために、燻煙の香りが最も強い表面を削り落とすため、荒節に比べ、香りはやわらかで、カビ付け節固有の熟成された旨みと香りが特徴。主に東日本で使われる。

     
        ● 形状からみた分類

 @  鰹節や鮪節の場合

本節 ・・・ 大型のものから取られるもので、三枚におろした二枚の肉を各々半分に分けて節にしたもの。一尾から4本の本節が取れる。背身の方を雄節(おぶし)、腹身の方を雌節(めぶし)と呼ぶ。
亀節 ・・・ 比較的小型の場合(たとえば鰹では3s以下)、三枚におろしてできた二枚の魚肉を使って節にしたもの。形が亀に似ているところから、その名がある。
 

 A  その他の魚を節にした場合

・・・ 三枚におろした二枚の肉を各々節にしたもの。
・・・ 魚一匹丸のまま節にしたもの。


        ●  魚の種類による分類
                              
鰹節、鯖節、宗田節(関西では目近(めじか)節)などは代表的なもの。
他に、室節、鮪節、笹目近節、うるめ節などもあるが、これらはほとんどが荒節で、主に関西で用いられる。
以上、製造法からきた呼び名と、形状からきた呼び名の組み合わせで、各々の節の名称を「荒本節」「荒亀節」と称したり、カビ付け節の場合は、鰹節では「本枯節」、あるいは単に「本節」「亀節」といったりする。
また、宗田鰹、鯖、室鯵などのカビ付け節は、頭に「枯」あるいは「カビ付け」をつけて区別している。

鰹 節 原料魚は本マガツオ(真カツオ)である。
産地としては、鹿児島県の枕崎、山川(薩摩節)、静岡県の焼津(焼津節)、高知県の土佐清水(土佐節)などが代表的である。
魚体の大きさにより、本節と亀節とに分かれ、本節は3s以上の大型魚から、亀節はそれ以下のものから作られる。
生魚を3枚におろし、左右の片身を製品化したのが亀節、片身をさらに背身(雄節)と、腹身(雌節)に分けたものを本節という。
これらは形状の違いで、余り品質的に関係はないが、一般的な傾向として次のようなことがいえる。
雌節は、腹身であるため脂肪分が多く、雄節は、脂肪分が少なく、脂焼けの心配がないため、よいだしがとれる。しかし、雌節の方がおいしいだしがとれるともいわれ、適度な脂肪分も必要だということになる。
また、亀節は、本節のように血合いが取り去られていないので、やや渋味があるともいわれるが、関東風の煮つめるだしの取り方をして、アクを十分に取れば問題はない。そのため、そば店では本節より亀節が多く使われる。
また、製造法によって、荒節と枯節に分かれるが、荒節は西日本で、枯節は東日本で多く使われる。荒節は、焙乾による燻香が身上で、だしの旨味より香りを大切にするため短時間でだしを引く方法を取る。枯節は、燻香よりも、カビの作用によるまろやかな旨味に特長がある。

    枯節

    荒節

鯖 節 原料魚は、ゴマサバとマサバ(ヒラサバ)で、ゴマサバが中心である。
産地は、和歌山県、千葉県、静岡県など。ことに、和歌山県、千葉県のものは”紀州もの””房州もの”といって親しまれている。
丸節・割節があり、他に内臓付きの裸丸節がある「ポックリ節」、脂肪が多いから脂肪を除いて燻乾した「圧搾節」がある。
また、鹿児島県の屋久島は、大型で質のよい”梅吉鯖”の名で有名である。
鮪節の特長は、香りはあっさりとしているが、だしはこくがあって濃いものがえられ、そばうどんの甘汁(かけ汁)によく使われる。
また、ゴマサバとマサバ(ヒラサバ)では、マサバを用いた節の方が、脂肪分を多く含むため、より濃いだしが取れる。

   

宗田節 宗田節のことを関西では目近節と呼んでいる。原料魚は、ヒラソウダ、マルソウダ、スマソウグに大別され、総じてソウダガツオと呼ばれている。
ヒラソウダ(体長40p)とマルソウダ(体長35p)が宗田節の大部分で、スマソウダ(体長1m)はわずかである。1〜3月に土佐清水で獲れる「寒メジカ」は最上質。また、宗田節の中でも小型のものは丸目近節、笹目近節と呼ばれる。
製造方法で、原魚を割って節にする「割節」と、そのまま節にする「丸節」がある。
主要産地は、高知県の土佐清水市で全国の約8割を占める。
宗田節のだしの特長としては、鰹節や鮪節よりは、濃厚で色のついただしが取れるが、イノシン酸の量が少なく(肉質が堅いので、煮熟する前に、しばらく放置して肉を軟らかくするため)、塩なれの効果は弱い。むしろ香りと味が宗田節のだしの持ち味である。

鮪 節 原料魚は、主にキハダマグロの幼魚であるキメジ(体長70p)である。
産地としては、鹿児島県枕崎、静岡県焼津などである。
鮪節は、鮪荒本節、鮪荒亀節、鮪血合抜きの三種に分かれる。
一般に、鰹節同様くせがなくさっぱりした味が特色で、やはり、材料の持ち味を生かす日本料理に適している。節の中では最高級品に属し、ことに白くてごく細い削り節(糸がき)として用いられることが多い。

   荒本節

室 節
(むろぶし)
原料魚は、体長約40pほどのムロアジである。
だしの色は、ごく薄いレモン色で、甘味があり、まろやかである。だしも比較的よくでるが、こうした雑節は長時間煮つめると、渋味がでてくるものが多いため、関東風の辛汁用のだしには余り適さない。
関西風のうどん用のだし汁として、他の節と組み合わせて使われることが多い。

   荒節 丸

うるめ節 原料魚はウルメイワシである。
産地としては、九州の長崎、宮崎両県のものがよく知られている。だしは黄色味がかって、濃い香りと後に残る深みのある味が特徴である。
西日本のだしの主原料で、ことに鮪や鯵に比べて割安なのと、臭みが少ないことから、多く使われる。しかし、最近では、漁獲量が減り、節の生産量も減ってきている。

    荒節


       ●  節の製造法

鰹節を例にとって、その製造工程を大別すると、次のように分けられる。
 

@ 生切り ・・ 近海もの、冷凍ものにかかわらず、まず魚の頭を落とし、内臓を除去し、三枚におろす。3s以上の鰹は、さらに血合い骨にそって、各々を背身と腹身に分ける。
A 煮熟
(しゃじゅく)
・・ 魚の肉片を煮籠に並べ(籠立)、煮釜に入れて約1時間煮熟する。この加工段階の節を「なまり節」という。
煮熱終了後、空気中で冷やし、次に清水中で、ウロコ、小骨、皮の一部を取り除く。
B 焙乾
(ばいかん)
・・ ナラやクヌギ、サクラなどの堅木を燃やした炉上に節を並べ、約1時間ほど水抜き焙乾をし、その翌日、修繕を行う。これは、鰹の生肉と煮熱肉をまぜたものを、竹べらで、節の傷や亀裂にすり込んで外形を整える作業である。
その後、1日4〜5時間ずつ、10〜15回焙乾をくり返す。
焙乾を終えて日干しした節を荒節という。
C カビ付け ・・ 荒節を削り、整形する。これは表面に付着したタール分や油を除き、カビを均一につけるための作業。これを裸節、または赤むきと呼ぶ。
裸節を密閉した木箱につめ温度25〜28度、湿度75〜85五%の室に入れカビ付けを行う。
カビ付けは、一番カビから五番カビまであり、カビ付けしては日乾(にっかん)し、カビを払いおとす。これを各15日間ずつ行う。
完成品の歩留りは約五分の一となる。