そばのはな【ソバの花】 
はな【花】
     


  蕎麦はまだ 花でもてなす 山路かな    芭蕉
  三日月の 地は朧なり そばの花      芭蕉
  道のべや 手よりこぼれて そばの花    蕪村

     故郷や 酒はあしくも 蕎麦の花      蕪村
  山畑や 蕎麦の白さも ぞっとする      一茶

 そばの花には、何か人を魅了する可憐さがあり、詩情を誘うようである。また、そばは五つの「色」のある珍しい植物で、花は白、茎は赤、葉は緑、根は黄、そして実が黒。「ソバ」は、荒れ地でも栽培しやすいので、以外と簡単に花を咲かせる事が出来る。
 ソバの花には八から九個の瘤状の蜜腺があって、多量の蜜を分泌して高い香りを放つ。そば蜜は色が暗褐色で香りが強く、味も濃厚で、鉄分の含有量も多い。我が国では一般に淡白なものが好まれるが、中国やフランスではそば蜜の特殊な風味が好まれ、名声の高いブルターニュ蜜もやはりそば蜜である。

 そばの花の諺
 【蕎麦の花が咲けば 鮎が下がり始める】
下りアユ(落ちアユ)の時期は、ソバの花の咲く頃。アユの味は七、八月頃が一番良く、九月になると腹に熟卵を持つようになってまずい。水温が20度C以下になると川を下り始めるが、その時期は九月中旬から十月にかけてである。
 【蕎麦の花は蜂の酒】
越後で蝶のことを「酒別当」と呼ぶのにならって、蜂がソバの花の蜜を吸いにくるので蜂の酒と名づけたもの。
                                     

咲かせ方。
.良い土壌にしてから種(そばの実)を蒔き、
  その上に土(約2〜3センチ位)をかけ水をやる。
.日当たりの良い場所に置き、土が乾かない程度に毎日水をやる。
. 3〜4日位で芽が出て来るので、15センチ位に伸びてきたら
  少し「間引き」し、茎の根本に土を盛り補強する。
  良い花を咲かせる大切な作業。
.茎が伸びてくるので、風で倒れないように棒でささえる。
.気温が上がり3〜4週間をすぎる頃に、50センチ程に伸び、
  やがて白くそして甘い香りのする「そばの花」が咲く。