ひんしゅ【品種】
そばのひんしゅ【蕎麦の品種】
                    参考リンク  よんばいたいひんしゅ【四倍体品種】

ソバには他花受精の植物なのでほかの品種と交雑しやすい。そのためソバには他の作物ほどはっきりした品種区分がなく、その地区の名を頭に付けて呼んでいる。

きたわせそば キタワセソバ 富良野産の「牡丹そば」から選抜固定した新品種。
「北海一号」という名称で試験栽培を繰り返した後、平成元年」(1989)に農林水産省へ命名登録された。
ソバでは初めて登録番号がつけられ、記念すべき「農林一号」となった。
「牡丹そば」よりやや早い夏型で、粒は黒褐色。栽培適地は北海道。
はしかみわせ 階上早生 青森県南東部の階上地方の在来系統から選抜されたソバの品種で、育成の歴史は古い。大正七年(1918)、青森農業試験所が在来種より選抜した品種。
夏〜中間型で、粒はやや大きく、色は黒褐色。冷害年にもかなりの収量をあげて以来、青森及び岩手県の主要品種。
ひたちあきそば 常陸秋そば 古くから茨城県下で栽培されてきた「金砂郷在来」のソバをもとに、茨城県農業試験所が選抜固定したもので、昭和六十二年(1987)に品種登録された。
秋型で、粒はやや大粒。粒揃いも良好で、色は濃褐色。栽培適地は、茨城県を中心とした関東地域。
しなのいちごう 信濃一号 昭和一九年(1944)に長野県農業試験所桔梗ヶ原分場(現・長野県中信農業試験所)が、福島在来系統から選抜固定したソバ品種。
夏型と秋型の中間型で、粒は濃褐色。播種期の幅が最も広い品種の一つで、関東北部から中国地方にかけてかなり広範に栽培されている。品質的にも高く評価されている。
しんしゅうおおそば 信州大そば 信州大学農学部によって「信濃一号」から育成されたソバの四倍体品種。昭和六十年(1985)に品種登録された。中間型よりやや秋型で粒は大粒で黒褐色。栽培適地は、本州中部を中心とした準高冷地。
みやざきおおつぶ 宮崎大粒 宮崎在来の秋ソバの種子をもとに、宮崎大学農学部が育成した四倍体の新品種第一号。
昭和五十四年(1982)に品種登録(登録名は、みやざきおおつぶ)された。
秋型で、粒は大粒、濃褐色。栽培適地は南九州を中心とした南西暖地。
きゅうしゅうあきそば 九州秋そば 鹿児島県や宮崎県で古くから栽培されている鹿屋(かのや)在来など、秋播き在来種の総称。九月以降の初秋播きにおいては短時日で開花し、多収が望める。
粒色は褐色を帯び、稜はあまり発達せず、比較的小粒。
いやざいらい 祖谷在来 四国は徳島県西部の祖谷地方で栽培されている在来種のソバ。
粒は小粒で、丸みの強い形状をしている。
ぽたんそば 牡丹ソバ 大正末期に北海道農業試験場が道内の伊達、紋別地方のソバの在来種から選別した品種。
昭和五年(1930)に奨励品種に指定されて以来、長く全道の主力品種となってきた。
夏型で、粒は大粒、黒褐色。しかし、長年にわたる栽培の間に交雑が進み、この品種本来の特性を発揮しないものが出てきた。そのため平成三年(1991)ごろから、キタワセソバが道内の主力品種になっている。

     在来種(ざいらいしゅ)とは、ある地方に永年栽培され、
       その地方の風土に適応した植物の品種のこと。(地方種)

九州秋そば 信濃一号  牡丹ソバ 信州大そば  宮崎大粒

          

そばの品種の特性        そば生産奨励ハンドブックシリーズXV
                        「そばの栽培技術」/日本蕎麦協会/1997

品種名 来歴生態型 生産型  生育日数 粒色 品質 食味 主要特性
牡丹そば 北海道農業試験所 90日 黒褐 良質
キタワセソバ 85日 早熟、多収、草丈短
キタユキ 97日 多収、やや晩熟、草丈高、耐べと病
階上早生 青森農業試験所 55日 黒褐 良質
岩手早生 岩手県農業試験所 62日 中上 短稈、耐倒状
最上早生 山形県農業試験所 中間 75日 黒褐 信州一号よりやや晩生
階上早生 中間 71日 黒褐 倒状
常陸秋そば 茨城県農業試験所 中秋 66日 黒褐 良質、多収
信濃一号 長野農業試験所 中間 70日 黒褐 中上 安定収量、倒状
信州大そば 信州大学 中間 85日 濃褐 中上 信州一号の人為4倍体、中晩生、耐倒状
しなの夏そば 長野県中信農業試験所 68日 中上 多収
福井在来種 在来種 75日 黒褐 良質、多収、倒状
高知在来種 在来種 79日 灰褐 耐湿性、晩播、適応性、倒状、小粒
宮崎大粒  宮崎大学 72日 黒褐 宮崎在来の人為4倍体、耐倒状、多収、晩生