ほうじょう【報条】
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宣伝、広告用のチラシのこと。
江戸時代から明治初期にかけて用いられた言葉。「引き札」ともいう。
報条の由来は、広告文の口上の最初に、この文句が使われることが多かったことによるといわれる。江戸時代後期、市中に食べ物屋が増え、店同士の競合が激しくなってくるためか、報条を作成して客に配布するという宣伝法が多く見られる。
その当時の「報条」の特色は、その宣伝文を名士や、一流の戯作者に依頼し、開店の披露や新しい商品について書いたものが多く、木版刷にしたもので、文章だけのものもあるが、絵がそえられた視覚的に洒落た雰囲気の粋な「報条」が多かった。
執筆者として活躍した著名人としては、平賀源内の鳳来山人、山東京傳、式亭三馬、柳亭種彦などがおり、滑稽洒脱な妙筆をふるった。また、明治にかけては、仮名垣魯文、河竹其水(黙阿弥)などが活躍した。ことに、そば屋の報条として、今日知られる有名なものは次の通り。
 京傳が神田通新石町富士屋・本町二丁目松桂庵・今戸橋亀屋
 本膳亭坪平が松桂庵二種と日本橋通一丁日東橋庵
 三馬が芝増上寺門前風詠庵
 曲亭馬琴が元飯田町東玉庵
 それから、黙阿弥が両国柳橋松中庵と浅草奥山萬盛庵
 梅素玄魚が池の端蓮玉庵。

● 江戸末期のそば屋東流庵夷屋の報条。
寿海老人子福者白猿(七代目市川団十郎)作。