きりしたそば【霧下蕎麦】


山裾をめぐる標高五〇〇〜七〇〇mの高原地帯では、昼夜の気温差が大きく、朝方に霧が発生しやすい自然条件にある。この現象は八月下旬から十月中旬によく見られるもので、丁度秋そばの結実期にあたる。
こうした霧下地帯で栽培されるソバは、味覚、栄養、粒型ともにすぐれ、特に「霧下ソバ」として評価される。
霧下ソバの産地としては新潟・長野県境の妙高、黒姫、戸隠、岐阜・長野県境の木曽などが昔から良く知られている。
高原の火山灰地の水はけのよい土壌に栽培されたソバは、適応力は大きいが、気象上の弱点もあり、冷涼な気候を好みながらも霜には弱い。霧下特有の朝霧が厳しい自然条件をやわらげ、ソバが萎えることもなく成長を進めるうえで効果を持つ。
日中は二五〜二六度C、夜間は一〇度C以下の温度差が望ましい。
ソバの糊粉質は緑黄色鮮やかで、風味を持ち、粘力ある香り高いソバが産出される。