きつねそば【狐蕎麦】
     参考リンク   たなもの【種物】


甘く煮た油揚げとネギを具にした種物。東京での呼称。

「きつね」は油揚げをうす甘く煮てのせたもので、「たぬき」と並んで最も大衆的な種物である。
「きつね」というと、大阪の「きつねうどん」に代表されるように、台はうどんが多いが、そばでも、きしめんでもよい。ねぎと油揚げの入ったそばは、歴史的には大坂より江戸の方が古く、夜そば売りの種物としてでてくる(文化三年)。「しのだ」ともいう。
当時のきつねが、うす甘く煮たものかどうかは明らかではないが、油揚げを使ったそばの種物が江戸後期からあったことは確かである。
油揚げの煮方(炊き方)は、東京と関西では一般的にみて違いがある。
東京の場合は一般に、そば台が中心ということもあって、醤油味が強く、煮しまった感じで、揚げの厚さも薄手である。
これに対し、関西(ことに大阪)では、うどん台のうす味の汁ということもあって、汁気が多く、甘くてふっくらしている。
ここでは、東京のそば台に合った油揚げの煮方を紹介する。
煮方に入る前に、まず油揚げの油抜きをする。油抜きは、油揚げの余分な油分を取り除くのがポイントである。ここでは、約15分間、沸騰した湯の中で茹で、油分のしみだした茹で湯を、すっかり捨てる。煮る前の下準備である。
味つけのポイントは、甘すぎず、辛すぎず、かといって、汁の味に変化をもたらすほど味がついてしまってはいけない。しかし、その一方で油揚げに味を十分に含ませなくてはならない。
使用する砂糖の種類、あるいは油揚げに加える汁なども、研究してみるとよい。たとえば、白砂糖の他に、多少色のある三温糖などを使うのもよい。また、ここでは砂糖の他は甘汁だけで味つけをしたが、甘汁と辛汁を合わせたものを使ってもよい。
煮物一般にいえることであるが、まず砂糖を先に加えてから、甘汁などで味をつける。
味つけした後、煮立ったら火を弱めて、ゆっくりと煮る。
煮汁が底に少量残る程度まで、約20分間煮つめる。
煮上げた油揚げは、冷めると形がととのわなくなるので、熱いうちに広げて形をととのえ、パットなどに重ねておく。

油揚げを半分に切り、さらに対角線に切って三角形にする。 丼に湯通しして温めたそばの上に、揚げを四枚並べて置く。
           材 料

  油揚げを煮る 油揚げ155枚
           甘汁約370t
           砂糖大さじ2杯

  ねぎ      6〜7cm
  甘汁      250〜280cc
片手鍋で煮立てた汁(縦割りにしたね ぎは半生の状態) を上からかける。 菜箸で、散らばったねぎをととのえる。

【参考】
油揚げの煮方
片手鍋に油揚げを敷いていく。こ こでは15枚分。 油揚げの敷き方は、写真のように一枚 の半分ずつを重ね合わせながら積んでいく。  敷き終った状態。まず、油抜きをするために、落とし蓋をおく。 落とし蓋の上から、手でカを加え、油揚げを押す。





ひたひたの状態まで湯を加え る(水からでもよい)。 約15分間茹でると、油揚げ が水分を含んで写真のように盛り 上がってくる。 鍋を傾け流しに茹で湯を流 す。落とし蓋で押えて余分な油分 を絞りだす。
これで油抜きは終了。
油抜きした揚げに味をつける。 まず砂糖を大さじ二杯加える。





次に甘汁をひたひたになる状 態まで加える。 落とし蓋をし、火は中火にし て、ゆっくり煮る。 煮汁が鍋の底に少量残る程度まで煮る。 落とし蓋を取ると、油揚げの 形が整ったまま炊き上がっている。  油揚げが温かい内に、伸ばし広げながらパットに敷き、さます。