そばのことわざ 【蕎麦の諺】
そばのごろく【蕎麦の語録】


 そばに関する諺には、栽培・そば屋・食習などに大別される。

あさとろ ゆうそば 【朝とろ 夕そば】 (長野)
朝はとろろ汁をすすり、夕食にはそばを食べるのが、かっての信州におけるご馳走だった。
いちはち にのし さんほうちょう 【一鉢 二延し 三包丁】 (長野)
手打ちそばの作業の要諦を語呂よく表した言葉。
まず、一番大事なのが最初の木鉢の工程・水回し練りで、ここでそばの良否がほぼ決まってしまう。
次に
延し、最後が包丁による切り方であり、この過程をふんで修行する。

    
「一こね 二延ばし 三包丁」
     「包丁三日、延し三月、木鉢三年」
     「揉み方三年 切り方三月」
 などともいう。
いちそば にこたつ さんそべり 【一蕎麦 二炬燵 三そべり】
奥信州(長野県)では山ゴボウ(オヤマボクチ)の葉を干した綿状のものをつなぎに用いる手打ちそばの伝統が受け継がれており、炬燵に入って辛味大根の絞り汁で食べる新そばの味わいは、また格別である。「そべり」は寝入るの方言で、初冬における農閉期のくつろいだ暮らしを表したもの。
いっときぬくめの やつどきひやし 【一時温めの 八時冷やし】
地方によってそばを冷え性の人には禁忌する風習がまだ残っているが、栄養学上の問題よりも、むしろ昔の人の方便として米麦などの主食を軽んじさせないのと、過食を戒める意味だったかもしれない。
うどんいっしゃく そばはっすん  【饂飩一尺 蕎麦八寸】
手打ちの原則で、一番食べやすいとされている長さを表した言葉。
うどんさんぼん そばろっぽん【饂飩三本 蕎麦六本】
うどんは太いから一度に三本ぐらいずつ、そばは細いから六本ぐらいずつ口に運ぶのがちょうど良い、という。
うどんそば ばけもののおおえやま 【饂飩 蕎麦化物大江山】
安永五年(1776)刊の黄表紙。黄表紙の先駆、恋川春町の作・画。上下二冊十丁。洒顛童子(しゅてんどうじ)の部下茨木童子が羅生門で渡辺綱のために片腕を切り落とされ、綱のおばに化けて唐櫃に納められたその腕を奪い返す伝説と、源頼光が四天王を従えて丹波国大江山の酒席童子を退治する史談をふまえて擬人化し、そばうどんを主人公とする合戦談に仕立てた異類合戦物の一つ。頼光はそば粉に、四天王はそれぞれ陳皮、大根、鰹節、唐辛子に擬している。
うどんそばより かかあのそば 【饂飩蕎麦より 嬶のそば】
 女房のそばにいるのが、一番気楽でよいとの戯言。
おやまかちゃんりん そばやのふうりん 
        【親馬鹿ちゃんりん 蕎麦屋の風鈴】

明治10年(1877)ごろ、おやまかちゃんりん節が流行した。「串をさしたがる煮込みのおでん、やっぱり士族の商法だんべ、オヤマカチャンリン」は、その一つ。「おやまあ」と言った言葉にかぶせて、親馬鹿を「おやまか」としゃれたもの。そば屋の風鈴は口遊びにすぎず、夜売りの風鈴蕎麦から出たもの。当時のもり・かけの値段は八厘。
がしそば 【飢饉蕎麦】
「がし」は方言で飢饉のこと。ソバの成育は天候に左右されにくく、干魃の年でも収穫されるためにこの名ががある。(神奈川県津久井郡相模町内郷)
きばち めんぼう さんさわし 【木鉢 麺棒 三さわし】
木鉢での粉なのこね方、めん棒を使ってののし方、そばの洗い方は、手打ちそばのポイントであることを表した言葉。さわしは、そばを水に浸けてよく洗うこと。
きりべらにじゅうさんぼん 【切りべら二十三本】
江戸時代から御定法とされていた並みそばの太さで、のした生地の一寸(3.03p)幅を23本に切ること。そば一本のの切り幅は約1.3oで、のしの厚さはこれより少し厚く、切り口はやや長方形になる。
けんどんやの ひやめし 【慳貪屋の冷や飯】
慳貪屋は一杯盛り切りのめん類や飯などを売る店のこと。けんどん屋が自分の食事は、冷や飯ですませる意。他人の世話に忙しく、自分の身のまわりまで気を配る余裕のないことのたとえ。
「医者の不養生」、「紺屋の白ばかま」のたぐい。
こうやのあさって そばやのただいま 
         【紺屋の明後日 蕎麦屋の只今】

紺屋(こんやともいう)はその仕事が天候に左右されるため、染め物の仕事が遅れがちで、客が催促すれば明後日になれば出来るといってその場をしのぎ、実際はあとにのばすのが紺屋の常套手段。
そば屋の出前で「ハイ只今」も同じ。あてにならぬ約束の譬え。
じぞうそば 【地蔵蕎麦】
山口県の東部では、旧暦七月二十四日は児童が石地蔵に香花を供えて祀る地蔵盆に当たり、この頃にソバを播くのが適期だという。いまは新暦八月二十四日に催される。
しもごえに そばがら 【下肥に 蕎麦殻】
ソバ殻は、よく枕に使われるが、この場合はソバの茎の方言である。ソバの茎はほかの農産物よりカリウム成分に富み、水溶性であるから、ソバ茎を入れた下肥は窒素のほかにカリ分がふえ、肥効が高くなる。その上、下肥運搬の際にこぼれにくくなるという利点もある。
そばきじ 【蕎麦雉子】
秋ソバの実る頃、キジも肥えてくるのをいう。(新潟県佐渡郡・広島県)
そばくったら はらあぶれ 【蕎麦食ったら 腹あぶれ】
福島県会津若松市、新潟県北蒲原郡中条町荒井浜地方の言い伝え。あぶれは、温めろの方言。会津地方では、昔から「蕎麦食って風呂に入らない馬鹿はいない。餅食って寝ない馬鹿はいない」と言われてきた。唐橋宏(会津若松市「桐屋」)によれば、新そばの時期になると、冷たい洗いたてのそば(水そば)を汁をつけずにすする食べ方があり、満腹するころには芯から冷え切ってしまうので、風呂に入って温まるのが仕来りだ、と言う。逆に、江戸や群馬県利根郡では、そばを食べてすぐ風呂にはいると中気になる、との俗信がある。ともあれ、そばを食べたら、そば湯を飲むのは理にかなっている。
そばじぞう なかんのん 【蕎麦地蔵 菜観音】
地蔵尊とは衆生の苦しみを救済してくれる菩薩のことで、蕎麦喰い地蔵尊をはじめそばには地蔵にまつわる伝説が多い。その縁日は二十四日であり、観音の縁日が十八日なのを旧時刻になぞらえて、ソバと莱の発芽とかけたもの。
一日は十二刻だったので、ソバの発芽には二日、莱は一日半を要するからである。(和歌山県)
そばだね 【蕎麦種】
嫁にいかないで長く生家で暮らしている女性のこと。「蕎麦は七十五日」というほど短期間に収穫されるものなので、種で家に置かれる期間が長いことから。(香川県沖多度郡、三豊郡大野原五郷)
愛媛県北宇和郡三間町では、ソバ種は黒く角張っていることから、醜い娘を指すとの説もある。
そばだねさんかく えかきはごがく 
         【蕎麦種三角 絵描きは五岳】

極めて明白なことをいう。平野五岳は豊後日田の詩画僧で、その名声は天下に嘖々だった。三角と五岳を対照させ、五岳を五角にかけたもの。
そばづくりにききんなし 【蕎麦作りに飢饉なし】
凶作のとき、すぐソバをまけば、米・麦の補いになる。(茨城県)
滋賀県伊香郡余呉町上丹生では、「蕎麦は飢え知らず」といわれている。
そばとぼうずはいなかがよい 
        【蕎麦と坊主は田舎がよい】

ソバと僧侶とは、都からよいものが出ない。(『譬喩尽(たとえづくし)』三)
そばでくびくくる 【蕎麦で首くくる】
出来るはずがないこと。
そばとおおむぎ 【蕎麦と大麦】
ソバと大麦の種は何年たっても芽が出る。凶年だと感づけば、急いで播くのに良い作物である。大麦粉で打ったのが大麦切り、略して「麦切り」という。(長野県上伊那郡辰野町)
そばとぼうずはいなかがよい 
        【蕎麦と坊主は田舎がよい】

ソバと僧侶とは、都からよいものが出ない。
そばとみずのよいところは ほめるものでない 
    【蕎麦と水のよい所は褒めるものでない】

そうゆう所は山家に決まっているから。(群馬県利根郡新治村での言い伝え)
そばにきじ 【蕎麦に雉子】
食い合わせ。「雉子を食えば三年の古疵も出る」(雉は悪食するから、または脂肪が強いので、三年前の古傷が膿を持つ)と言われているためだと思われている。だが、信州の郷土食に「雉子そば」があるから心配はないはず。キジは落としてから四日目ぐらいが旨いが、だしだけに使い、肉を見せないのが一番贅沢な食べ方である。
そばにすいか 【蕎麦に西瓜】
食い合わせ。
そばにたにし 【蕎麦に田螺】
食い合わせ。
そばにはえがさんびきとまったらかれ 
       【蕎麦に蠅が留まったら刈れ】

はえそば  【蠅蕎麦】
秋の彼岸ごろ、ソバの白い花の中に、あたかもハエが留まったように、いく粒かの実がポツポツ黒くなる位が、ソバの刈り取りの適期だという言い伝え。(長野)(飛騨)
青森県三戸郡五戸町では「ソバは黒粒三つぶら下がれば刈ってよい」という。
そばにかかしはきかぬ 【蕎麦に案山子は効かぬ】
山深い焼き畑にソバを作った場合は山鳥・野兎・まみ(穴熊)に荒らされやすく、案山子もきかないし、収穫まで苦労が絶えない。対策としては、夜に畑の周囲をいぶし回しておくとよい。(福島県会津地方)
そばのあかすね 【蕎麦の赤すね】
ソバ茎(すね)があまり赤く鮮やかなのは、実は多く穫れないが、香りがよい。ソバは肥料が足りないと、茎が細くて赤くなる。これをセンコソバ(線香蕎麦)という。ソバは一〇pぐらいまでの小さいうちは茎が赤いが、あとは根際のほかは水色か、白く透き通るのがいいソバだという。(長野県)
そばのじまんはおさとがしれる 
        【蕎麦の自慢はお里が知れる】

よいソバが穫れるところは土地が冷涼で、米を作るには適しないゆえ、ソバ自慢は余り自慢にはならない。
そばのとうろうつく 【蕎麦の燈籠つく】     
        
参考リンク  「蕎麦の花」
ソバの実入りは、はじめに青く、それから三角燈籠がついて赤くなり、そのうちに茶色になり、しまいに黒くなる。白い花を加えると、五色に変化する。「燈籠がつく」というのは、三角燈籠がついて赤くなり始めた時期を言う。(長野県戸隠村)
そばのはながさけば あゆがくだりはじめる 
        【蕎麦の花が咲けば 鮎がくだり始める】  
        
参考リンク 「蕎麦の花」
下りアユ(落ちアユ)の時期は、ソバの花の咲く頃。アユの味は七、八月頃が一番良く、九月になると腹に熟卵を持つようになってまずい。水温が20度C以下になると川を下り始めるが、その時期は九月中旬から十月にかけてである。(三重県度会郡大内山村・広島県)
そばのはなははちのさけ 【蕎麦の花は蜂の酒】
          参考リンク 
「 蕎麦の花」

越後で蝶のことを「酒別当」と呼ぶのにならって、蜂がソバの花の蜜を吸いにくるので蜂の酒と名づけたもの。
そばのひとふき 【蕎麦の一吹き】
そばは涼しい気候の山地や開墾したてのやせ地でもよく生育し、乾燥にもよく耐える作物だが、風に至って弱い。特に開花期から成熟期にかけて強風が一吹きすると、倒伏して大被害を受けるので、豊凶を左右する台風に用心すべき事を戒めている。
そばのひとむずり 【蕎麦の一むずり】
そばを食べて体をひとねじりすると、すぐ腹がすく意で、ムズリは曲がるに当たる方言。そばはすぐ腹のすくものの例えにされ、これから独立してそばのことを「一むずり」と呼ぶ。(山形県最上郡最上町)
朝鮮の諺にも「そば食ったおなか」というのがある。

そばのみかえり 【蕎麦の三返り】
そばを茹でるには、火加減が難しく、火が強すぎても「空煮え」の心配がある。
釜の中に入れられたそばが、浮き上がり、湯の表面をゆっくりと泳いで釜の縁に到着して下に沈み、また反対側から顔を出しておよいでくる、といった動作を三回繰り返せばもう茹であがっていると言う意味の、そばの煮上がりの早さを表した格言。

そばのいっかくかくればはえる 
        【蕎麦の一角隠れば生える】
「蕎麦は種の一隅が土に入っていれば根が出る」(長崎県対馬)とも言われ、発芽力が強いことを言う。
そばはかく 【蕎麦は角】
ソバは稜麦・角麦とも呼ばれるが、打ったそばの切り口は本来、真四角でなければならない。ところが、のしが面倒なので、江戸時代の職人は楽な「切りべら二十三本」を定法とした。機械打ちの場合は汁つきをよくするため、そばは「切りべら」、うどんは「のしべら」にする。
そばはさんぶ 【蕎麦は三分】
そばの食べ方は好きずきで結構だが、昔はそばつゆが辛口だったので、三分だけつゆを付け、そばの香りや風味を味わうのが、正しい食べ方とされた。
そばはしちじゅうごにち 【蕎麦は七十五日】
そばは播種してから収穫までの期間が約七十五日間かかる。短期間で収穫できる作物であることから、ほかにも同様の諺がある。又、そばは製粉の手間がかかるため、その日の夕食にと言う諺も多い。
 * 他にもいろいろある。・・・参考リンク
そばははえるようになるとまずい 
       【蕎麦は生えるようになるとまずい】

なつのそばは ままこにやれ 
       【夏の蕎麦は継子にやれ】

なつのそばは いぬさえくわぬ 
       【夏の蕎麦は犬さえ食わぬ】
(新潟県佐渡郡)
夏のそばは、端境期の陳(ひね)ソバを使うため。そばは一般にまずくなる。
そばまき 【蕎麦蒔き】
蝉の一種で、ソバをまく時期に鳴くため。(山形県・米沢市)
そばまきいちご 【蕎麦蒔き苺】
 ナワシロイチゴのことで、花赤く実の粒が粗い。腹下の葉。(長野県上水内郡鬼無里村)
北安曇郡美麻村や大町市だは、エビガライチゴのことをそう呼ぶ。
そばまきとんぼ 【蕎麦蒔き蜻蛉】
赤くて小さなトンボのこと。これが鍬の柄の高さに飛ぶときに、ソバをまけばよいとの意。(和歌山県・中辺路町、岡山県勝田郡)
群名県勢多郡でも、「蕎麦蒔き蜻蛉が飛ぶ時が蕎麦のほんしんだ」と伝えられている。ホンシンは本旬の転訛か、または本芯(本当の中心になる時期)で、播き旬に変わりはない。
そばまきぼし 【蕎麦蒔き星】
すばる(昴)は、牡牛座に属する散開星団で、六個ほどの星が個々に群れてめだち、赤道にあるので空の真中を通り、農耕漁獲などの季節を測知するのによい目安になる。すばる星の中空に達したのを目安に、ソバの播き時としている。
そばむすめ 【蕎麦娘】
いつまでも独り身でロマンスの花を咲かせながら、私生児をこしらえていく浮生娘を言う。次々と花が咲いて実っていくから。(伊予)
栃木県那須郡西那須野町三島では、晩婚の娘をさす。

そばのけんか 【蕎麦の喧嘩】
そばと「側」の洒落で、そばにいる者が堪らぬ。
そばやのさけ 【蕎麦屋の酒】
老舗は上酒を置いたもので、この伝統はいまも継承されている。
そばやのとっくり 【蕎麦屋の徳利】
 @ くくりつけの洒落で、禁足されていること。
 A 徳利が縄で巻いてくくりつけてあり、怠けていること。
そばやのゆとう 【蕎麦屋の湯桶】
そば湯を入れる漆塗りの湯桶は角につぎ口がついているが、他人の話に横から口を出すうるさい奴を言う。
そばる 【蕎麦る】
そば一杯で辛抱する。昭和二十年代ごろ、学生の間ではやった言葉。
どうこのゆでうぶゆをつかう 
       【銅壺の湯で産湯を使う】
江戸っ子は、「玉川上水で産湯を使った」と言って自慢したものだ。そば釜の銅壺の湯で産湯を使えるのも、そば屋の生まれなればこそで、誇るときにいう言葉。
なつそばはつか 【夏蕎麦二十日】
「ソバは七十五日」といわれるほど、アワ・キビと同様に播種から収穫までの期間が短い。夏ソバは六〇日から七五日、秋ソバは七〇日から八〇日かかるので、二十日は誇張しすぎるが、そのくらい早く生育し刈り取ることができるという意。
にぎりそば 【握り蕎麦】
にひゃくとおかのにぎりそば 
       【二百十日の握り蕎麦】
山陰地方では、二百十日にあたる九月一日ごろに片手で握れる程度まで(約六p)ソバの茎が伸びているのが望ましいとされる。百十日の前後は台風が来ることが多いが、この程度まで成長していれば、大風が吹いても吹き倒される心配はない。「つかみそば」ともいう。
はえそば【蝿蕎麦】
秋の彼岸ごろ、ちょうどハエが留まったように、実がポツポツ黒くなるくらいが、ソバの刈りごろとされることからいう。(長野)
中国では、清の道光十六年(1836)祁寓藻著『馬首農言』に、「蚤多収黍 蝿多収蕎麦」とあり、ノミが多いとキビ、ハエが多いとソバが豊作とされる。あるいは、ノミがふえたらキビ、ハエがふえたらソバを刈る意にもとれる。
みっかとろろに みそかそば 【三日薯蕷に晦日蕎麦】
昔は毎月三日にとろろ汁を作り、晦日には必ずそばを食べるのが慣習であった。(東京都)
福島県いわき市で特に正月三日の夕食にとろろ芋を食べるのは、これで一年の運勢が決まるとも、風邪を引かぬためだとも言う。
むぎてまにじゅうさんぽん【麦手間二十三本】
江戸時代にそば職人の腕を見るために行なった技能試験。冷や麦を手打ちにし、一寸(3.03p)幅を23本に切り、さおに下げて干し上がるまで折り曲げた形が崩れないのが満点とされた。冷や麦は「切りべら」のそばと反対で、薄くのした厚さよりも切り幅のほうが広い「のしべら」で作る。紙のように薄く平均にのすのもむずかしいが、たくさんたたんで切るため、切りむらも出やすい。麦手間とも。きりべらにじゅうさんぽん
もみかたさんねん きりかたみつき 
      【揉み方三年 切り方三月】
手打ちの技術を習得するには、本鉢で揉む基本的な仕事が一番難しく三年も掛かるが、反対に包丁の使い方はやさしく、僅か三月もあれば上手に切れること。この間にはのし方があって約一年。昔は四、五年かけて、みっちり修業したものである。
わりこもそばのうち 【割り粉も蕎麦のうち】
つなぎの小麦粉についても、その品質や取り扱いに気を配る必要があることをいったもの。