しっぽく【卓袱】
          参考リンク   きょうどそば【郷土そば】

卓袱の唐音。元来はテーブル・クロスの意味だったが、転じて食卓そのものを指すようになり、その上に乗せる料理を卓袱料理といい、数人が食卓を囲んで食べるのが特徴。
卓袱料理は長崎に伝来した中国の惣菜料理が日本化したもので、「長崎料理」ともいう。この料理のなかに、大盤に盛られたうどんの上にいろいろな莱肉を乗せたものがある。これをいち早くまねて、大平椀に盛った「しっぽくそば」が寛延(1748〜51)ごろ江戸で売り出された。
『蕎麦全書』上には、「瀬戸物町近江屋芳野葛入りそばあり、この頃しっぽくそばをするよし。……近き頃人形町に万屋とて新店出来、しつぼくそばを出せり。そはなかなか宜しとてもてはやせり」とあるが、卓袱の東遷からみて京坂のめん類屋が先に始めたとも考えられるが、資料は見当たらない。
『そば手引草』(安永四年・1775)によれば、「松茸・推葦類、薯蕷或いは大和薯蕷(つくいも)、烏芋(くろくわい)、麩及び芹の具を加入す」とあるが、幕末のころは焼き鶏卵、かまぽこ、シイタケ、クワイなどを加えたものが一般的となった。江戸はそば、京坂はうどん台が決まりである。