そばどうちゅうき【蕎麦道中記】  
               

『雙六蕎麦愚案戯書(すごろくそばぐあんぎしょ)』とも。
そば好きで八十歳になる山崎頴山(やまざきえいざん)が、安政二年(1855)正月に脱稿、総丁数二〇丁の写本である。そばの食べある記を行なったのは文政十三年(1830)ごろで、江戸日本橋を出発して東海道五十三次を京都へ上り、京都逗留中に大坂新町の砂場そば、それから須磨の敦盛そばまで足をのばし、中山道を経て板橋に帰着するまでのそば行脚の狂歌紀行である。
道中宿駅の名物そばを書き抜くと、次のとおりである。
 神奈川・旭そば
 藤沢・緑そば
 小田原・明月そば(ゑびすや)
 沼津・山吹そば
 由比・涛(なみ)そば
 府中(静岡)・笹座そば
 掛川・白菊そば(唐木屋森蔵)
 浜松・ざざんざそば(音羽屋l安右衛門)
 岡崎・三日月そば
 亀山・宝来そば
 高宮・松がゑそば
 柏原・常盤そば(常盤屋松次郎)
 加納・延命そば(茖荷屋徳次郎)
 上松・寝覚そば
 洗馬・翁そば(大根入り)
 八幡・志良賀(しらが)そば
 高崎・浪花そば(梅林)
 熊谷・地紙そば(代屋)