そばがき【蕎麦掻き】  
       参考リンク   なべがき【鍋掻き】
               
 わんがき【椀掻き】


そば粉を湯で練り上げる。 製法は、そば粉一に対し沸騰した湯一を練り上げのが常法。
そばがきは、原始的なそば粉食の形態であり、水かお湯さえあればこと足りるだけに、そばの取れる土地では常食されてきた。また、五穀を断つ比叡山・高野山の回峰行(かいほうぎょう)や木食行(もくじきぎょう)では唯一の食糧でもある。
地方によっては

オダイガキ
(ワンガキ)
おだい掻き
 (椀がき)
群馬県利根郡片品村土出
カイモチ 掻い餅 青森・岩手・秋田・山形・福井・滋賀・岡山・福岡
カッケ
青森・岩手
カッコ
山梨
カッソマ
鹿児島
ケェモチ 掻え餅 岩手・長野
ソバネッケ
千葉
ソバネリ 蕎麦錬り 北海道・青森・宮城・新潟
ソバネリゲ
三重
ソバネリクリ
山梨
タテコ 立粉 長野
ソバタテコ 蕎麦立粉 静岡県磐田郡

と方言は異なるが、すべて「そばがき」の意。
普通は味噌たれか醤油をつけて食べるが、秋田県男鹿半島でハタハタのしょっつる汁につけて食べる「ネレケモチ」は風土にかなった共し方である。

そば粉だけのものでなく、他の作物と練り合わせて風味を出すことも古くから各地で行われてきた。
その代表的なもなは、

オネリ かぼちゃ 山梨県南都留郡
  北都留郡
ソバやトウモロコシの粉を練って作る食べ物をいう。そば粉にカボチャなどを練り合わせたりもする。
カブカイモチ カブラ 青森県五戸町
ネリゲ さつまいも 三重県志摩 そば粉とカンショ(サツマイモ)の雑炊、またはそばがきを云う。
ソマケ もち米 (鹿児島県曽於郡
 志布志町)
もち米を蒸すか煮上げたものにそば粉を入 れ、練りつつ塩少々を加えて団子にする。砂糖か醤油をつけて食べる。
ソマゲ さつまいも 鹿児島県肝属郡
  内之浦町
そば粉にカライモ(サツマイモ)と米を少し加えて炊き、それを練り合わせて適宜の大きさに丸めたものをいう。
茶碗掻き 岡山県川上郡備中町富家 茶碗の中に湯を注ぎ、そば粉を入れ、塩を加えてかき混ぜる。
ハンゲツ さつまいも 佐賀
ツックルミ キビ 福島県会津
キラジソバ おから 岩手県三戸 ソバ殻の混じった粉(メクソまたはソバメという)一升に豆腐粕(おから)二升と塩を入れて混ぜ、臼でつく。その餅を浮き上がるまでゆでる。これを串にさし、味噌かジュウネ(荏胡麻)味噌をつけて食べる。キラジソバともいう。(岩手県二戸郡
宮城県ではキラズモチという。
キラズダンゴ おから 岐阜県飛騨

などがある。

また、味噌汁や野菜煮汁・雑炊の中にそば粉やそばがきを入れたのが

ソバズリ 岡山県加茂川町 野菜汁を作り、その中へそば粉を入れてかきまわしたもの。コマカ汁ともいう。
ソバネットウ
群馬県吾妻郡
 六合(くに)村世立
汁を作っておき、その中にそば粉を入れてかきまわす。
ソバネットウ・
   ネツトウ

新潟県岩船郡山北町八幡

ソバネット
山形県西置賜郡小国町と東田川郡朝日村大泉町

ソバベットウ
新潟県佐渡
シルカエルモチ
青森県五戸町
てこすりだんご
 【手擦り団子】
そば粉を熱湯でこねて、軟らかくまとめる。これをちぎって手のひらの間でこすり、指の太さほどにしたのを、両手で押さえて細長い葉の形にする。これを味噌汁に入れて煮てから、せん切りダイコンを加える。農家の常食の一つだった。
ヤナギダンゴ (青森県上北郡七戸町)ともいう。岩手県二戸郡では紡錘形に作る。 「やなぎばっと」とも云う。

である。

寒の入り(一月六日ごろ) につくるそばがきは、とくにカンカイモチ(新潟県北蒲原郡)、カンガエモチ(長野県上伊那郡飯島町)、カンゲイモチ(同北安曇郡)と呼び、これを食べれば体の毛穴がふさぎ、厳冬でも寒さを感じないと伝えられてきた。
青森県三戸郡や岩手県二戸郡のツツケ・カッケは、みちのくの伝統的なそば郷土食である。延ばしそばを3〜6p角に切り、輪切り大根と三角豆腐を塩味で水煮した中に入れ、煮えたらヒルかネギ味噌をつけて食べる。南部藩が農民に麺類をつくることを禁止したのを逃れるため、そばを石のかけらの形にしたところから名づけられた、という。実際は、そばを打つときできる切れ端のことで、これを4、5p角、あるいは三角に切ったり、時には人形の形にくり抜くこともある。


 手軽な「そばがき」の作り方

 【参考リンク】   

    信州・車屋流 『そばがきの作り方』
     http://www.kurumaya-soba.com/sobagaki.htm