そばうりこうじょう【蕎売り口上】

客をもてなすとき、飯のあとに他の食べ物を出すこと、またはその食べ物のことを「後段」という。その後段にそばを出すときに述べる口上のこと。口上の名称は地方によって異なり、そば口上、そばのほめことば、そばのほめ口上、後段のそば売り口上などまちまちである。
口上の内容は大同小異で、ソバの栽培からそば切りを食べるまでの過程や、汁・薬味についても触れている。
福島県会津地方では、婚礼の祝宴が終わるころ、後段にそばが出される。その際口上を述べる男性は、裁着袴(たちきりばかま)半纏を着て、豆絞りの手ぬぐいでねじり鉢巻きをし、そばを盛ったざるや椀を形ばかり盆に乗せ、先頭に立つ。そのあとに着飾った多くの女子が出席者の分を持って続く。
寛永20年(1643)刊の料理専門書『料理物語』第十七、後段之部には、うどん、切麦、葛素麺、蕎麦きりなど十三種が記されているが、後段の食習は江戸時代以前から行なわれていた。