たまごとじ【玉子綴じ】
    参考リンク   たねもの【種物】


そば店の種物の代表的なもの。
江戸時代の品書きに登場するが、江戸末期の資料によれば、そばが十六文に対し、玉子とじは三十二文で、天ぷらそばと同じ値段であった。当時、卵が貴重品であったことを物語っている。
かき玉を作るのと同じ要領だが玉子とじは片栗粉を使わない。卵はただむやみに攪拌するのではなく、卵黄と卵白が遊離することのない程度にとどめ、かきすぎは仕上がりがよくない。本来は、そばの上に海苔を敷いて卵をとじた汁をかけるが、とじた卵に海苔を置く場合もある。「鶏卵」ともいう。

これも卵を使った代表的な品書きの一つで、江戸時代末期からある品書きの一つでもある。
その作り方は、まず汁を箸で右まわしに勢いよくかきまぜ、鍋の中に渦をこしらえる。この汁の渦の流れと逆の方向に、といだ卵を糸のようにたらしながら入れていき、薄い玉子の幕になればでき上がりである。極めて簡単ではあるが、オムレツの場合と同様、かなりの熟練を要する仕事である。
また、一発勝負であるだけに、やりなおしがきかない。それだけに、何度も練習して、勘をつかむことが大事である。
その前に、「玉子とじ」を調理する上での基本的なポイントがいくつかあるので、これを紹介する。
  ・卵は軽くとく。ときすぎてはいけない。
  ・といた卵を入れる時は、ある程度高いところから注ぐと、糸を引くような感じになる。
   片口に箸をあてがって、箸づたいに注ぐようにしてもよい。
   また、注ぎ初めは一度にどっとでやすいので、流れ始めたら、一度容器をかるく
   元に戻してから、改めて注ぐとよい。
  ・卵を入れる時、汁を右方向に箸で勢いよくまわし、逆方向に片口をまわしながら
   外側に糸を引くように注いでいくと、渦の力で玉子がひとりでに帯になって中心に
   巻きこまれるように、幕ができてくる。
  ・といた卵を汁の中に入れる時は、汁の温度が下がらないように糸を引くように少し
   ずつ入れる。入れすぎると、汁の温度が下がって、鍋の底に卵がつきかねない。
  ・「玉子とじ」は、やや塩辛い汁の方が合うので、火加減はある程度強火にする。
  ・玉子を煮すぎるとちぎれやすくなる。また、生煮えで動かすと汁が濁りやすくなる。
以上の点に留意して、調理をするように心がけるとよい。
玉子の幕が、軽く、深く、かつ広がってできたら、すぐ火からはずし、丼に移す。
この時の釜前とのタイミングが大事で、鍋をおろして少し時間をおいたりすると、玉子の幕が底に沈んでくっついたりする。とじた玉子の上に海苔を置く店が多いようだが、本来は、汁をかける前に、そばにひく。


卵一個分を片口にいれ、軽くとく。こ の時、卵をときすぎてはいけない。  片手鍋に汁を入れ、やや強火にして煮 立ってきたら、菜箸で汁を右方向にまわす。
材 料
    
    卵          1個
    のり         四分の一枚分
    かまばこ      1切れ
    三つ葉       1本
    甘汁         250〜280cc



汁が右方向にまわっているうちに、今 度はといた卵を逆の方向にまわしながら流し入れる。 片手鍋の周辺に、糸をひくようにスーッと流し人れていく。

卵がきれいに散ったら、煮すぎないうちに片手鍋を火からはずす。 丼に湯通しした温かいそばを入れ、そ の上に海苔をひく。その上から卵をとじた 汁をかける。
丼全体にうまく広がるように卵をとじた 汁をかける。 かまぽこや三つ葉などをおく。